Soliton WrappingBoxは画期的なテレワークツールだ。
PCにインストールされているMicrosoft Officeを使いながら、社内システム(Webサーバ、ファイルサーバ)を「安全に(=暗号化)」利用できるというシステムだ。
コロナ禍(COVID-19)流行時、2ヶ月ものの無償提供するなど、気遣いのあるセキュリティメーカーだ。Soliton(ソリトン)と言えば、NetAttest EPSという電子証明書を利用した認証システムとして有名な会社だが、WrappingBox(ラッピングボックス)については、3月のコロナ禍騒動で勤務先においても、検証利用ではなく急遽本格運用を行ったこともあり、導入後に色々と製品事情が分かるといった経験をしている。
テレワークツールで数多くある中で、何故、WrappingBoxを採用したか?・・・それは、一言で言えば「シンプル」といったところだ。ユーザー面、管理面、双方から見てもシンプルでかつ、思った以上に使いやすい、まぁまぁ安価、制限はあるものの、マルチOSに対応しているといったところだ。
WrappingBoxは、仮想のデスクトップ上で、物理PCにインストールされているMicrosoft Officeアプリ(Word, Excel, PowerPoint)等で SecureBrowserというWebブラウザ経由で取得したファイルを編集・加工できる製品。物理PCとWrappingboxの仮想デスクトップ間は暗号化されているため、WrappingBoxにログインできないと、ファイルは暗号化されてて見えないという仕組みとなっている。
よくあるテレワーク製品として、自席PCをリモート操作するという製品ではないが(Soliton製品「Secure Desktop」で対応可)、仮想デスクトップ(VDI)よりもコストは全然安く、必要最小限での利用が可能といった製品だ。
以下の画面がWrappingBoxの画面で、原則作業PCにMicrosoft Office デスクトップアプリ(ストアアプリはNG)がインストールされていないと編集作業ができない。Soliton Secu…という文字列の鍵のアイコンは、Soliton SecureBrowser ProというWebアプリで、WrappingBoxの中で動いてはいるものの、別の独立したソフトウエアのようだ。
この、Soliton WrappingBox の製品理解も結構理解に苦しんだが、WrappingBoxを選んでおけば間違いなしだ。確実に在宅勤務とかのテレワークで、業務効率は上がる。管理者も楽。
そして、在宅勤務としての社員提供をワークフローで自己申請で行った結果、意外にもMacユーザーがいたということ。WrappingBoxはWindows専用で、Macの場合は、SecureBrowser Proを利用してもらう必要がある。ここで、WrappingBoxのライセンスで、SecureBrowser Proが利用できるということになる。会社として管理の場合は、ばらばらのライセンス管理だと、非常に使い勝手が悪いため、管理コストから見ると、一色担で行えるのば大きい。
製品名 | 同梱製品 | 主な機能 | Windows | Mac | iOS | Android |
WrappingBox | WrappingBox SecureBrowser Pro |
暗号化された仮想デスクトップ上にファイルを保存が可能。 また、SecureBrowser Proの処理が可能。 |
○ | × 但し、SecureBrowser Proは利用可能 |
||
SecureBrowser Pro | SecureBrowser Pro | 暗号化されたブラウザで、Webアプリの利用が可能 | ○ | |||
SecureBrowser Pro クラウドプラン |
SecureBrowser Pro | Microsoft365とかのクラウド製品にアクセス可能 | ○ | |||
SecureBrowser Pro クラウド・イントラプラン |
SecureBrowser Pro | SecureBrowser Proクラウドプランの他に、 社内システム(Webアプリ)へのアクセスが可能 |
○ | |||
SecureBrowser | SecureBrowser | 暗号化されたブラウザで、Webアプリの利用が可能 | ○ | × |
上記表は、主な比較で、SecureBrowserの場合、証明書を自分等で用意するのか、solitonのクラウドサービスを利用するのか、によっても、料金体型が異なってくる。ちなみに、クラウドサービスを利用した場合、Soliton KeyManagerで利用することになるのだが、1 ID当り4個発行できる。EPS Cloud類似機能というべきか。自分たちで管理する場合には、NetAttest EPS-apを購入したりしないといけないので、クラウドが利用できる環境であれば、クラウドを活用した方が、低価格で利用できるのがメリットだ。
WrappingBox / SecureBrowserにおける、電子証明書(KeyManager)の認証デバイス削除は簡単に行える反面、リモートデスクトップサービスにあたるSecureDesktopだと、メーカーに申請してからの処理のため、多少のタイムラグが発生する(最近では、結構早く処理してもらえた)。
コロナ禍(COVID-19)の影響は、今後も続いていく。これからテレワークのさわり程度から始めてみようか、という企業にはもってこい。すでにSSL-VPNを利用していれば、物足りなさを感じるだろう。管理者が特にいない企業においては、SSL-VPNは実にセキュリティ上危険だ。セキュリティ面、管理面において、管理コストがほぼ不要なこのWrappingBoxは、非常いお勧めだ。